抜群のジャズフィーリング、魅力的な選曲、そして優れた録音と三拍子そろったジェーン・モンハイト、2004年の人気アルバムです。課題トラックはハイライトの一曲でもあるマイケル・ブーブレとのデュエットナンバー。この曲は1935年のタップ・ミュージカル映画「ロバータ」で使われた楽曲です。華やかなブラスに導かれ、軽やかでありながら堂々とした掛け合いがとても楽しいです。マイケル・ブーブレとのデュエットはトラディショナルでありながら新鮮。バランスよく奥行き感のある録音も秀逸です。ウッド・ベースはロンカーター。多彩なバックの演奏に彩られたジェーン・モンハイトと魅力と、古きよきエンターテインメントの世界の再現をめざしたいところです。




ベルリンフィル・2007年末のジルベスター（大晦日）コンサートのライブ録音です。ベルリンフィルの魅力を余すところなく捉えた、たいへん色彩感の豊かな録音です。一聴して感じられる安定した定位感、奥行感は秀逸で、その響きの中にロシア音楽の真髄といったものさえ感じとることができます。優れた演奏、録音に接することで、クラシックのみならず古今東西の音楽家がこの作品の編曲を試みようとする理由が分かるような気がします。

2003年から5年にわたり、ラスベガスのカジノ・ホテル「シーザースパレス」の専用コロシアムスタジオで行われた有名なコンサートの模様を収めたタイトル。2007年末のコンサートの終了に伴い、DVD/BD化されました。このコンサートはシルク・ド・ソレイユのフランコ・ドラゴーヌが演出したことでも知られていますが、このDVDでは映像、音声ともにそのスケール感をたいへん良く捉えています。ステージ上にバンドの姿は見えませんが、舞台の裏に巧妙に配置されています。課題トラックは劇的なサウンドエフェクトを伴ってスタートしますが、曲全体のスケール感、アンビエンスの表現に留意して音楽性の再現をめざして頂きたいと思います。