あまり一般には知られていないのですが音楽CDは、CD-ROMに比べ、エラー訂正能力がかなり低く、傷・指紋・そり・偏芯等があると読み取りエラーが簡単に発生してしまいます。実際にはCDプレーヤーなどでは、前後のデータによる補完が自動的に行われているので気がつかない事も多いのですが、補完しきれないと、ノイズとして耳に届きます。また補完した部分は音の広がり感が変わると言う人も多いようです。
音楽CDのベースに関わる問題ですから、現状の音楽CDのままでこの問題を解決することはできません。つまりディスクの状況に応じた適切なリードを常に行わないと、本来音楽CDに入っている音が正しく再生できません。
私は、ピアノ演奏や作曲の道に進もうと真剣に考えていた時期もあり、今でも趣味として音楽活動を続けています。そのため音楽CDを正しく読み出したい、音楽CDに入っている音をすべて聞きたいという面については自分で言うのもなんですが、かなりのこだわりがありました。(笑)そこで考えたのが、音楽CDの読み取り時にエラーが発生しても、勝手にデータ補完をしないで正しく読み出すことでした。
まず、数種類のアルゴリズムをつくり、周囲にいる企画、営業のメンバーに試しに聴いてもらいました。今になって思うと、それがPureReadのプロトタイプとなりました。実際にPureReadのプロトタイプを聞いたメンバーが、製品に入れるべきと言い出してくれ、体力的にかなりつらいものがあったのですが、一気に開発を加速してなんとか製品へのインプリ期限ギリギリに間に合わせました。その後も継続して開発を続けており、性能を向上させ、最新のBDドライブに搭載しています。
今後、次々と川崎新小倉で生みだされる新技術、これからの「川崎新小倉」発のモデルにご期待ください。 |