下記の比較表からもわかるように、光ディスクは他のストレージと比較して、寿命が長い事が特徴となります。
各種ストレージの特徴(IDEMA Japan Newsより抜粋)
媒体名 | 記録容量 | 価格 | 応答速度 | 寿命 |
---|---|---|---|---|
HDD | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
フラッシュメモリ | ○ | ○ | ◎ | ○ |
光 | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
磁気テープ | ○ | ◎ | × | ◎ |
記録膜の材料が違う
CD-RやDVD-Rは、製造コストは安価ですが経年劣化に弱い有機系記録材料を使用しています。
一方、BD-Rでは経年劣化に強い無機系記録材料を使用しています。
記録膜の保護が違う
CD-RやDVD-Rは、基板上に有機系記録材料が塗布されており、基板側からの水分侵入などで記録膜が劣化する事がありました。
一方、BD-Rでは誘電体で上下ともに記録材料をカバーする事で、強力に記録膜を保護しています。
ディスク表面の保護が違う
BD-Rは、ディスク記録面側・ディスク外周端面にハードコートがされています。
キズ・ホコリ・指紋に強く、汚れも付きにくくなっています。
長期保存に適した独自の記録膜
独自の金属窒化物記録膜 Metal Ablative Recording Layer(MABL)を採用。溶融(ablation)方式で記録マーク形成するため既存の相変化系材料より安定で、長期保存に適しています。
また、溶融記録は不可逆性のため、真の追記性を有しています。
厳格な品質管理
DM for Archive対応BD-Rは、一般のブルーレイディスクより厳しい検査基準を用いて欠陥やサーボ検査を全数行う事で厳格な品質管理を行っています。
また、寿命推定試験結果に基づいた検査基準で全ロット加速試験を行い合格したディスクのみを出荷することで、データ再生不良が発生する確率を低減しています。
ISO/IEC 18630、JIS X6257では、ディスクの保存に関して直射日光を避け、できるだけほこりの少ない環境でケースに入れて保存することが推奨されています。
加えて、長期保存環境では、温度10 ℃~25 ℃、相対湿度40 %~60 %で保存することも推奨されています。
このような環境で記録済みディスクを保存した場合、記録済みディスクが間違いなく読み出せる期間を実験により推定しています。
その推定寿命(間違いなく記録データが読み出せる期間)の試験方法は、国際規格ISO/IEC 16963(対応JIS: JIS X6256)にて厳密に規定されています。
この試験方法で、100年以上の推定寿命が確認され、かつアーカイブ品質の良好な記録を実現すれば、ISO/IEC 18630、JIS X6257の品質判別基準の100年以上の推定寿命が必要なグレード100の基準を満足します。
以下に、ISO/IEC 16963の試験方法を簡単に説明します。
ISO/IEC 16963では、推定寿命は、温度および湿度のみに依存し、寿命が対数正規分布に従うという理論的な仮定に基づいて試験方法を規定しています。
本規定に基づき25℃50%の推定寿命を求めるために、以下の4つのストレス条件に記録済みディスクをさらします。
4つのストレス条件にさらし、ディスクの劣化を促進させデータの読み取りに不具合が発生する可能性が高くなる故障時間を求めます。
その故障時間より
寿命(対数)= β0 + β1 × 絶対温度逆数 + β2 × 相対湿度
上記の式であらわされる係数β0、β1、β2と標準偏差をσを計算します。
第三者機関(ADTC)実施の国際規格ISO/IEC 16963基準による寿命推定試験結果から、25℃/50%RHでの推定寿命※は6468年となりました。
ISO/IEC 16963の制御保存条件(25℃/50%)は、常時空調がかかった部屋を想定していますので、上記実験結果から温湿度を変化させた推定寿命を計算すると以下のようなグラフとなります。
オフィス環境(30℃/80%RH)でも100年以上の推定寿命が見込まれます。
95%のディスクに異常が発生しない年数(ISO/IEC 16963 寿命推定試験結果より)
専用ケースでの保管
ディスクを保管するときはディスク専用のケースに入れて保管して下さい。
ケースに保管することで、記録面やレーベル面をキズ、ホコリから守ることが出来ます。
保管場所/環境
保管場所は直射日光を避け、出来るだけホコリの少ない環境で保管して下さい。
オフィスでの保管環境は、温度5℃〜30℃、相対湿度15%〜80%が適しています。
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