2025年 7月 25日
課題・ニーズ
運転中にイライラした経験は、誰にでも一度はあるかもしれません。しかし、イライラを抱えたまま運転すると、違反や事故のリスクを高めます。本記事では、イライラ運転のリスクや予防法、対処法などを解説します。

時間の余裕がないときや渋滞しているときなど、運転中にイライラしてしまった経験がある方もいるでしょう。しかし、イライラしたまま運転を続けると、事故や無意識のあおり運転につながる恐れがあります。
本記事では、イライラ運転のリスクや対処法を解説します。安全に運転するには、気持ちを落ち着かせることが大切です。本記事を参考にして、安全で快適なドライブを心掛けましょう。
SOMPOダイレクト損害保険株式会社が全国の18歳以上の男女974人を対象に行った調査によると、「運転中にイライラした経験がある」と回答した人は、全体の90%以上であることが分かりました※。
多くの人が経験している「運転中のイライラ」は、運転前の出来事や、運転中の状況によって引き起こされることもあります。しかしイライラしたまま運転すると、安全からは程遠い危険な運転になってしまう恐れがあります。どのような状況でも安全運転をするためには、イライラをコントロールする方法を知っておくことが大切です。
イライラして運転すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。代表的な2つのリスクを解説します。
一つ目のリスクとして、いら立っているときは、普段なら気にならないような周囲の運転にも敏感に反応してしまうことが多いです。気分が怒りに満ちていると、冷静な判断ができなくなり、運転にもその気持ちが現れてしまいます。その結果、無意識のうちに他車に対して威圧的なあおり運転をしてしまう可能性があります。
なお、あおり運転とは以下のような危険な妨害運転です。
他の車の進行を妨害する目的で、上記のようなあおり運転をすると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に科せられます※。違反点数は25点で、欠格期間2年の免許取消処分も受けることになります※。
加えて、あおり運転により著しい危険があったと判断された場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます※。違反点数は35点となり、欠格期間3年の免許取消処分が下されます※。
※参考:政府広報オンライン.「「あおり運転」は犯罪です!一発で免許取消し!」(参照2023-07-19)
二つ目のリスクとして、イライラした状態での運転は、事故を引き起こすリスクが高まります。
感情が高ぶっていると、以下のような運転をしてしまいやすくなります。
こういった運転は、高い確率で事故を引き起こす要因です。いら立っている状態では、周囲を冷静に見られません。視野が狭くなり、周囲の車や歩行者、標識などに十分な注意が払えず、事故につながってしまう原因となります。
危険な運転は、交通違反の可能性も高まります。違反で警察に捕まってしまうと、イライラが募り、さらに大きな事故を起こしてしまう可能性もあるでしょう。
なぜ運転中にイライラしてしまうのでしょうか。イライラが引き起こされる代表的な原因を紹介します。
時間に余裕がない状況では、焦りやプレッシャーが生じやすく、イライラの原因となります。
セゾン自動車火災保険株式会社が実施した調査では、運転中にイライラした原因として最も多かったのが、「渋滞に巻き込まれて、なかなか進まない状況」でした※。渋滞により予定が遅れてしまいそうになると、プレッシャーを感じてイライラしやすい傾向にあります。
予定に遅れてしまいそうになると、注意力が散漫になるだけでなく、無理な追い越しや信号無視といった危険な運転につながりやすいです。
他のドライバーの運転も、イライラしてしまう原因の一つです。
運転していると、さまざまなドライバーに出くわします。自分とは運転のペースが違うせっかちなドライバーや、ゆっくりと走るドライバーと遭遇し、イライラした経験がある方もいるのではないでしょうか。
特に、急な割り込みや不要なクラクションなど、運転マナーに反した行為に直面すると、イライラが募りやすくなります。繰り返し他のドライバーの運転にストレスを感じると、気分が不安定になり、運転が荒くなってしまう恐れもあります。
運転とは関係のないトラブルや心理状態が原因で、運転中にイライラしてしまうケースもあります。
上記のようなトラブル後のいら立った状態でも、運転をしなければならないケースもあるでしょう。
運転とは全く関係ないこととはいえ、イライラした状態で運転すると、渋滞や他のドライバーの運転に余計にいら立ちやすくなり、危険な運転に発展してしまう恐れがあります。
運転中にイライラしてしまうのは、避けられない場面もあるかもしれません。しかし、そのような状態で運転しても冷静な判断を妨げる要因となり、事故やトラブルのリスクを高めます。
落ち着いて運転するには、イライラを防ぐための予防法を知っておくことが大切です。特に、普段から運転中にイライラしやすい方は、これからご紹介する方法を試してみましょう。
走り慣れていない道を通ったり、初めての目的地に向かったりする場合は、事前に走行ルートを計画しておきましょう。目的地までの道順に不安があると、運転中に焦りや緊張が生じやすくなるからです。
スマートフォンの地図アプリを使って走行ルートを計画しておけば、気持ちに余裕が生まれます。走行予定のルートに加えて、代替ルートも把握しておけば、万が一渋滞に巻き込まれた場合でも、落ち着いて運転を続けられるでしょう。
イライラを予防するためには、時間に余裕を持って出発することも大切です。
到着時間ギリギリを見込んで出発すると、わずかな渋滞に巻き込まれたり、道を間違えたりするだけで、気持ちに焦りが生まれてしまいます。時間に余裕があれば、ちょっとしたトラブルが起きても、落ち着いて対応しやすくなり、安全運転を維持しやすくなります。
たとえ予防していたとしても、運転中に予期せぬトラブルが起き、イライラしてしまうことはあります。
ここからは、運転中にイライラを鎮める対処法についてご紹介します。
運転中にイライラしてしまったら、深呼吸をしましょう。
「深呼吸くらいでイライラは鎮まらない」と思うかもしれません。しかし深呼吸には、興奮したときに優位になる交感神経の働きを抑え、リラックスしたときに優位になる副交感神経の働きを活発にする働きがあります。
深呼吸をするときは、呼吸に集中して、まず3秒間息をしっかり吐いた後、3秒かけてゆっくり息を吸うことがポイントです。安全な運転を維持しながら、落ち着いて深呼吸しましょう。
好きな音楽を聴くことも、イライラを鎮める方法の一つです。
イライラしたときに好きな音楽を聴くと、リラックス効果が得られます。ハーマンインターナショナル株式会社が全国の10~60代の男女2,000名に対して行った調査によると、「運転中の音楽が気持ちに良い影響を与えると感じる」と回答した人は、70.98%にも上りました※。どの世代でも70%以上の人が「音楽による癒しの効果を実感する」とも答えています※。
ただし、運転中にアップテンポな音楽や激し過ぎる音楽を聴くと、無意識にスピードを上げたり、運転操作が乱れる可能性もあります。運転中は気持ちが落ち着くようなヒーリング効果のある音楽を聴くのがおすすめです。
※参考:PR TIMES.「運転には音楽がポジティヴな影響を与えている!約80%が精神的なヒーリング効果を実感している「音楽のチカラ」」(参照2020-09-02)
車内にリラックス効果のある香りの芳香剤を置いておくと、イライラした気持ちを鎮めやすくなります。
普段から運転中にイライラしやすい人は、落ち着ける香りを選べば、車内でも香りによる癒しの効果を得られることでしょう。
芳香剤にはさまざまな香りがあり、自身が心地良く感じられる香りを選べば問題ありません。リラックス効果が期待できる香りは以下の通りです。
市販の芳香剤が合わない場合は、精油を使って手作りのルームスプレーを用意するのも良いでしょう。
運転中にイライラしたら、コンビニに立ち寄るのも一つの方法です。
イライラがかなり蓄積していると、運転しながら気持ちを切り替えるのは、なかなか大変かもしれません。そのようなときは、いったんコンビニなどに立ち寄って、コーヒーや甘いものを買って、一息ついてみましょう。ストレッチで軽く体を動かすことも、イライラした気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。
万が一イライラしたときに休憩が取れるように、時間に余裕を持って出発することが大切です。
危険運転を引き起こす要因は、イライラだけではありません。危険運転のリスクを高めるその他の要因を解説します。
事故への不安を強く抱いていると、かえって危険運転のリスクを高める可能性があります。
運転をする以上、「事故を起こさないように注意する」という意識は大切です。しかし、過剰に事故への不安を感じていると、他のドライバーや歩行者の行動に過敏に反応してしまいます。
その結果、注意が散漫になり、交通違反や事故につながる運転をしてしまいやすいです。事故への不安があるときは、車間距離をしっかり確保し、スピードも緩めるようにしましょう。もし危険な運転をする車に出くわしても、近づかないことで、不安を解消しやすくなります。
気分の落ち込みも、注意力や判断力が低下しやすく、危険な運転につながる恐れがあります。
仕事やプライベートのトラブルで気持ちが落ち込んでいると、運転に集中できません。「心ここに在らず」の状態で運転すると、他の車の動きや歩行者を見落としかねないからです。
気分が落ち込んで運転に集中できないときは、できる限り運転を控えるのが理想です。どうしても運転をしなければならないときは、独り言を言って悩みを吐き出したり、紙に書き出したりするだけでも、気持ちが楽になります。
身体的に疲労が蓄積しているときも、危険運転のリスクが高くなります。
長時間運転をしていると、腰や背中に痛みを感じたり、眠気を感じたりしやすい状態です。疲労によって感覚が過敏になり、クラクションの音や対向車のライトなどに強い刺激を感じることもあるでしょう。
疲労がたまっている状態では、判断力や集中力が低下し、冷静な運転操作が難しくなります。
疲労がたまっていると感じたら、休憩を挟むのがおすすめです。コンビニやサービスエリアなど安全な場所に車を停めて、一息つきましょう。シートを倒して、少し目を閉じるだけでも、疲労回復効果が期待できます。
運転中のイライラは、注意力の低下や判断ミスを招き、違反や事故につながる恐れがあります。イライラしたまま運転を続けるのは危険です。普段から自分なりのイライラ解消法を見つけ、落ち着いた状態でハンドルを握ることを心掛けましょう。
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