2009年技術論文

1.車載カメラ応用技術
 ~画像認識カーナビゲーションと車載ロボット~

市原直彦、井上博人、藤田隆二郎、伊藤宏平、安士光男

【要旨】

多くのカメラが車に取り付けられるようになってきた。ただし、これらは死角補助の役割で使われており、センサとしての使い方は未だ少ない。我々はドライブの「安全」「利便性」「楽しさ」を車載カメラ画像を用いて実現するアプリケーションをCEATEC2007で提案した。その結果多くの肯定的なご意見をいただくことができた。

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2.省エネ運転評価技術の開発

安士光男、柳平雅俊

【要旨】

適切な車間距離と燃費の関係を明らかにして、運転者にエコドライブをアドバイスする手法を提案する。多くの場合、走行車両は前方車両の影響を受けて走る。前方車の加減速に影響されないで走行するために十分な車間距離が必要である。交通工学の分野では、車両の挙動を前方車両に追従するモデルとして追従モデルを用いている。
市街地走行中の車間距離の適切さについて追従モデルを用いて実験した。被験者には、通常の運転とエコドライブの運転の2種類の条件下で走行するように指示した。最適な車間距離の指標として、交通流の分野では前方車両に追従するモデルが知られている。我々は追従モデルを用いて、運転の評価と運転アドバイスを行うシステムを開発した。車間距離の十分さを示す指標は追従モデルから計算される速度を閾値を用いて判別した結果、ノーマル運転で7%であり、エコ運転で72%であった。

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3.車載用香り発生器の効果の検討

柳平雅俊、安士光男

【要旨】

安全快適な運転環境の実現を目指し、運転者の状態センシング系と、注意集中の維持や眠気予防など運転者にフィードバックする系の融合を目指した研究を進めている。本研究では、運転者に及ぼす芳香の効果に焦点をあて、これまで研究例の少ない実走行時の影響を調査した。車載用の香り発生装置を開発し、香りの生理心理面への影響を調べるため、心理調査、心拍、呼吸計測を行った。また車室内における香りの効果的な発生方法を検討するため、発生後に香りを感じるまでの感知時間と、香りを感じ続けられる時間である感知持続時間を計測した。これらより、香りが運転者に及ぼす影響について考察したので報告する。

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4.「言語モデルを用いたカーナビゲーション音声認識技術の開発」

川添佳洋、小林載、吉田実、外山聡一

【要旨】

多様なユーザー発話への対応と初心者でも使いやすい音声認識インターフェースの実現を目的に、言語モデルを用いた音声認識技術を開発した。
カーナビ操作に関連した様々なテキストデータを独自に収集して、カーナビ操作に適した言語モデルを作成するとともに、カーナビに搭載することを視野に入れて、認識処理の効率化を図った。
音声認識実験により、不要語を含んだ発話のキーワード認識率が大幅に向上することを確認した。

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5.「超小型PCをナビに、D4向けナビソフトMapFan Naviiの開発」

清野喜彦、河野 一嗣

【要旨】

主にナビゲーション用地図データベース、およびソフトウェアの開発、販売を手掛けるインクリメントP株式会社(本社、東京都目黒区)は、この度国内携帯ネットワークサービスプロバイダーの大手であるWillcom社との協業により、超小型PC上にて動作を行うナビゲーションソフトウェア「MapFan Navii」を開発した。このシステムは既に日本市場において、2008年11月からその販売を開始している。「MapFan Navii」は車載用ナビゲーション機器に要求される基本機能の搭載は勿論のこと、Willcom社のパケット通信網を利用、当社が持つ各種サーバー資産との連携を図り、VICS情報、ガソリン価格、駐車場満空情報等のリアルタイムデータや、テレビ番組、ユーザーからの口コミ情報等を基にしたユニークな手法によるPOI情報の充実を実現している。

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6.メカ動作音自動検査システムの開発

中谷彰宏、中野卓充、尾川謙一

【要旨】

車載用CDチェンジャーメカの動作音自動検査システムを開発した。
本検査システムは、人との置き換えを可能とするため、良否の判定基準が熟練者の感覚と一致することや、不良品の流出がゼロであること、良品をNG判定することを少なくすることが求められた。
生産ライン環境でのデータ収集やソフトウェアの改良を重ねた結果、優れた良否判定性能を得られ、本システムの有効性が確認できた。

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【部門紹介】
MBG川越事業所の紹介

田原仁

【要旨】

MBG( Mobile Entertainment Business Group)川越事業所は、1970年にカーオーディオの開発・生産の専門工場として設立された。現在では、モーバイルエンターティメントビジネスグループの研究開発から設計・生産・品質管理までトータルに遂行するカーエレクトロニクス事業のセンター拠点である。
当事業所は「パイオニア発、世界初への挑戦」をビジョンに掲げ、「お客様価値」の創造に取り組んできた。
具体的には、車室内という過酷な環境下におけるハイファイサウンドを目指した世界初の「コンポーネントカーステレオ」の開発に始まり、「CDカーステレオ」、GPSを活用した民生用「CDカーナビゲーション」、測位精度を高めた「DVDカーナビゲーション」、オーディオ、ビデオ、情報通信と融合した「HDDカーナビゲーション」最近では、ネットワークを利用して、ユーザーの交通情報を活用して、時々刻々と変化する交通事情に対応して最適なルートの探索を可能にする「スマートループ」機能を搭載したカーナビゲーションがある。

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