2006年技術論文

1.信頼性評価シミュレーションの
カーエレクトロニクス製品への適用

坂井敏之

【要旨】

製品のコストダウン・開発期間短縮を目的として、信頼性評価シミュレーションを行った。実施したのは機構解析・はんだ熱応力解析・衝撃解析・FPC屈曲疲労耐久性解析で、その結果設計の効率化に貢献した。

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2.微細流体塗布技術開発

長島貴、石田毅、小田啓二

【要旨】

生産工程で使われる高粘度材料を高速かつ微細に塗布するため、インクジェットヘッドの開発を行った。
インクジェット法は材料の利用効率が高く、環境負荷も小さいなどのメリットがあるが、低粘度の液体しか塗布できない。
そこで我々は高粘度特有の課題(たとえば流体抵抗が大きいので塗布できない、また液中の泡が抜けないなど) の検討を行った。
ノズルやヘッドなどの構造部材の改善や塗布条件の最適化を行うことで塗布が可能なことを確認した。
今後は塗布のバラツキやメンテナンスなどの量産技術の検討を行っていく。

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3.基板実装加熱時の反り・変形メカニズムの解析

榎本洋一、馬見塚尚志

【要旨】

リフロー加熱時の実装不良の重大な要因と考えられる基板・部品の反りの発生要因を解析した。発生要因を解析するために、加熱中の基板の変位を測定する3次元計測システムを開発し、基板の反り測定実験を行った。本実験では、基板の銅箔の面積、配線の方向性、実装部品パターンをパラメータとして、基板の反りへの影響を求めた。その結果、銅箔の状態が基板の反り発生に大きな影響を与えることが分かった。この結果に基づいてBGA搭載基板の反り低減へ取り組んでいる。

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4.電子デバイス用レーザ溶接封止装置

廣田浩義、坂口能一

【要旨】

セラミックパッケージ電子デバイスを気密封止する封止装置を開発した。
封止にはレーザ溶接を使用し、ガルバノスキャナとX - Y テーブルを組み合わせ、画像による位置補正を行うことで、高速、高精度を実現した。
また、真空チャンバ内で溶接を行うことで脱ガス効果も有り、電子デバイスに高い信頼性を得ることも可能とした。

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5.植物由来プラスチックの現状と課題について

武藤守男

【要旨】

植物由来プラスチック、その中の代表的な「ポリ乳酸」の特性、現状の課題を調査した。
ポリ乳酸は生分解性を有するとともに、製造時および燃焼時のCO2排出量は、汎用プラスチックに比べて少ないが、耐熱性・耐衝撃性は低いため、これの対策が必要である。耐熱性は、成形後、再加熱することが有効である。また耐衝撃性は、材料に求められる性能に適合するように、ゴム系、またはアクリロニトリル系を適切な割合で混合して実現している。
さらに、ポリ乳酸に導電性フィラーを混合することで導電性素材として有効であることを確認した。

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6.PCB ユニット検査の最新技術

中谷彰宏、中野卓充、尾川謙一

【要旨】

PCB ユニットの高密度化、および不良原因の特定を可能にする検査手法を開発した。開発した不良診断アルゴリズムと制御プログラムを、複合協調テストの実行可能な共用検査機プラットフォーム「Puc Win」に導入し、ICE 検査を利用可能にすることで、従来では困難であったPCB ユニット内のROM / RAM の接合状態の検査、および不良原因の特定を可能にするとともに、検査時間の短縮を実現した。

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7.潤滑剤塗布技術の確立

武田浩一、山下俊朗

【要旨】

近年、カーナビ、カーオーディオの操作ボタンの感触に優れ、消音を実現するために、潤滑剤を摺動面に塗布する傾向にある。安定した塗布品質を確保するためには、塗布位置の精度、定量塗布が必須である。現在手塗り塗布を行っているが、安定して塗布することが困難であるため自動機の導入が必要と考え、塗布方式、潤滑剤、塗布機の検討をした。
その結果、塗布方式には、塗布量の安定性などに優れているディスペンサ直接方式を、潤滑剤には低温流動性に優れているドライサーフを採用した。塗布機には、ディスペンサ方式で定量吐出に優れた直交3軸ロボットに基づいた自動機を導入した。
導入試験を行った結果、安定した定位置、定量塗布を実現し、手塗り工法に比べ、塗布時間を1 / 3 に短縮した。

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8.はんだ品質向上取り組み

譜久山隆, 佐藤和浩

【要旨】

製品の高性能や多機能化を実現するため、基板への部品実装の高密度化や部品の小型化が進んでいる。この状況において、はんだ付け品質を如何に向上させていくかが重要な命題となっている。そこで、我々は現行システムでどのようにはんだ付けの高品質を目指していくのかさまざまな取り組みを実施している。その取り組みからリフロー工程の品質に大きな影響を与えるはんだ印刷量および、部品搭載位置精度について各種の測定を行った。その結果、工程内での規格管理幅を製品基板によらず一定の規格値を用いる「絶対量の管理」と規格幅は製品基板それぞれ固有の値を取る「相対量の管理」を用いる「はんだ印刷量の管理」と製品固有の搭載精度を求めて、マウンタの性能に適合した規格管理幅を設定する「部品搭載位置精度管理」を確立し、その管理手法ではんだ印刷不良の削減が可能であることが分かった。

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【部門紹介】
MEC 生産技術部の紹介

高橋裕史

【要旨】

楽ナビに代表されるカーエレクトロニクスの開発生産を行っているモーバイルエンターテインメントカンパニーに属する部門である。製品の高機能・高密度化への生産対応、市場品質の改善、コストダウン取組み、そして、全世界での生産体制の確立と、さまざまな機能をもつ生産技術部を、最近の開発要素の概要説明を通して紹介する。

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1.ドライエッチングプロセスによるナノパターン形状制御

藤村恵、細田康雄、勝村昌広、小林正規、北原弘昭、橋本和信、加園修、飯田哲哉、栗山和巳、横川文彦

【要旨】

我々はBlu-ray disc および次世代光ディスク実現のために電子ビーム記録装置(Electron Beam Recorder : EBR)の開発および光ディスク作製行程における各プロセス技術の開発を行っている。本報告では、生産の安定性を考慮に入れ、シンプルなプロセスにおける誘導結合型プラズマ反応性イオンエッチング(Inductively Coupled Plasma Reactive Ion Etching : ICP-RIE)装置を用いたナノパターン形状制御技術について検討した成果について示す。第一に、パターン側面の傾斜角度を制御するためのパラメータとして、エッチング電力比(アンテナ電力/バイアス電力)を導入し、パターン傾斜角度とエッチング電力比の関係を調査した。その結果、パターン傾斜角度と電力比は線形関係にあることを確認した。第二に、容量100 GBのROMパターンにおいてICP-RIE技術を用いてパターン傾斜角度の異なる2種類のサンプルを作製した。これらのピット形状の違いを明らかにするために、ライン幅変動(Line Edge Roughness : LER)の評価を行った結果、角度を急峻にすることがLERの低減に有効であることを確認した。最後に、これらのICP-RIE技術を300 GBのROMパターンに適用した。

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2.次世代超高密度ディスク媒体用電子ビーム記録装置

北原弘昭、小島良明、小林正規、和田泰光、勝村昌広、飯田哲哉、栗山和巳、横川文彦

【要旨】

電子ビームマスタリングは、Blu-ray Discのさらに次の世代を担う超高密度光ディスクや、パターンド磁気ディスクを実現するために不可欠な技術として期待されている。これらの次世代高密度ディスク媒体を実現するため、我々は高解像度電子ビーム記録装置を開発した。本装置を用いた記録実験で、DVD換算容量510 GB相当の超高密度パターンの描画を達成した。さらに、100 GB容量全面記録スタンパを作製し、良好な記録安定性を確認した。本技術は、パイオニアFAから販売される市販用電子ビーム記録装置に適用される。

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3.In-Groove記録方式による有機色素BD-R

中島裕之、西脇宏、北野和俊、村松英治、谷口昭史、横川文彦、堀江通和、清野賢二郎

【要旨】

従来のスピンコート法を用いて作製することができるBlu-ray Discシステム用の追記型光ディスクを開発した。
有限要素法に基づくシミュレーションと青色レーザ用に最適化された有機色素を記録層に用いた試作ディスクの実験から、ディスク構造としてはOn-groove記録方式よりもIn-groove記録方式が適していること、また、In-groove記録方式は1-2倍速記録において良好な記録再生特性が得られることを明らかにした。

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4.DCスパッタプロセスによる無機追記型ディスクの作成

加藤信彦、山口政孝、滝下俊彦

【要旨】

波長405 nmの青紫色レーザー、NA 0.85の光学系を使用したBlu-rayの無機追記型ディスクが細田らのグループから報告されている。[1] [2] [3] 今回、この報告を元に記録材料としてBi-Ge窒化膜を採用したディスクは、記録膜の窒化度を制御することによりその反射率をかなり自由に制御でき、反射率を高く設計しても十分な信号変調度を得られることが確認された。同時に記録層の成膜プロセスの再検討を行い、記録層を構成するすべての薄膜をDCスパッタプロセスで成膜したディスクが十分な性能を持つことを確認した。この結果は生産装置が小型、簡素化でき、その運用も容易になることを意味する。[4]

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5.DVD-R for Dual Layer 物理フォーマットの概要

鐘江徹、川野英作、三浦雅浩、大森久聖、加藤正浩

【要旨】

2層DVD-RのLayer 1は、Layer 0を透過したレーザ光で記録されるため、Layer 0上の記録/未記録による透過率変化に起因する記録パワーの変動がLayer 1の記録特性に大きな影響を与える。この課題を解決するため、2層DVD-Rの物理フォーマット策定時においては、Recording Orderと呼ぶ記録順序を規定し、ディスク全面でそのRecording Orderを満足できるRelative deviationの技術規定の開発を行った。Relative deviationによって、ディスク上でのアドレスの物理配置が規定され、記録機ではLayer 0上の記録状態を監視することなくLayer 1への最適記録を行うことが可能となった。また、関連して評価技術の開発も行い、DVD-R for Dual Layer book version 3.0 part1(physical specification)規格書へ採用された。

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6.フルHD PDPの要素技術と画質

打土井 正孝、佐藤 陽一

【要旨】

PDP(プラズマディスプレイ)は、最近の進歩で、高画質、低消費電力の大画面ディスプレイの主役の座を占める性能を得た。その中で、パイオニアはT字電極、ワッフルリブ、高濃度Xeガスによる高発光効率の実用化、クリア駆動、ダイレクトカラーフィルターなど、画質向上、消費電力低減という発展の根幹をなす技術をいち早く開発し、パイオニア発世界初の技術でPDPの技術進歩を強力にリードしている。最近導入したFull HDプラズマディスプレイ「PDP-5000EX」と、本当の黒の表現でプラズマディスプレイに最高画質の世界を拓いた「PDP-506HD」では、新技術「クリスタルエミッシブレイヤー(CEL)」による超高速放電、安定微弱放電という、PDPの新しい世界を拓く技術を導入した。
一方、液晶、SED、背面投射など他のディスプレイとの比較では、PDPがハイビジョンディスプレイに相応しい優れた画質、自発光でシンプルな構造、今後に革新の余地を残しながら達成した生産効率の高さで、これからのハイビジョンの時代にも大画面ディスプレイの主役の座を占めることが明確にできた。

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7.「フローティングインターフェース」の開発

石川大、釆原克美、富澤功

【要旨】

今までにない新感覚のユーザーインターフェースを目指し、立体映像ユーザーインターフェース「フローティングインターフェース」の開発を行った。
「フローティングインターフェース」は、当社が開発した裸眼立体映像システム「3Dフローティングビジョン」を基本技術とし、映像サイズを大型化しセンサーとリアルタイムCGを組み合わせ、さらに進化させたものである。
今回の開発により、空中に文字や絵を描いたり、空中に浮かんだコンピュータ(PC)のウィンドウを操作するなど、空中に表示された映像に直接指で触れることよるインタラクティブ操作を実現可能とした。
いくつかの展示会において多くのお客様に体感してもらったところ、立体映像の視認性や操作感は好評で、「フローティングインターフェース」の実用性を確認することができた。

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8.民生機器における知識データベースの構築と応用

梶雅代、堀内直明、莪山真一

【要旨】

民生機器において利用可能な知識データベースを構築し、それを用いた新たな情報検索手法を開発した。本研究における知識データベースとは、機器に関連する大量のテキスト情報を解析して得た結果をもとに、機器固有の「知識」を体系化したデータの集合を指す。これを利用することによって、システムは様々な検索入力に対して機器固有の「知識」を反映した検索結果を出力することができる。本手法をカーナビゲーションシステムの「ドライブプランナー」機能に適用した結果、指定条件(同行者、観光目的)を満たす観光スポットの推薦を行うことができた。

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9.楽曲特徴量による嗜好音楽の解析

荒川克憲、小田川智、松下文雄、児玉泰輝、塩田岳彦

【要旨】

大量に存在する楽曲の中から、ユーザの好きな曲を簡単な手法で検索することを目的とし、楽曲の持つ音楽的な楽曲特徴量と、ユーザが感じる印象度(嗜好度)との関係を解析したので報告する。
ユーザは与えられた楽曲を聴き、その楽曲がどれくらい好きなのかを、嗜好度というパラメータで評価する.その後、嗜好度別に楽曲を分類し、嗜好度と楽曲特徴量との間にある関係を解析した.解析の結果、ユーザが好きと感じる楽曲の楽曲特徴量の分散は、全体の楽曲の分散と比べて小さいことが分かった。つまり、ユーザの好きな曲は、ある楽曲特徴量空間において、集中した分布で存在することがわかった。

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10.ホームネットワークの最新動向

樋口正生、薄葉英巳

【要旨】

デジタルAV機器の進化と共に成長してきたホームAVネットワークは、DLNAとDTCP-IPの登場によりようやく普及期を迎えようとしている。
本稿ではホームAVネットワークの動向とDLNAが目指すエンタテインメントの姿について述べる。

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11.サラウンドサウンド方式の歴史と技術

小谷野進司

【要旨】

今や映画やデジタル放送において多くのサラウンドサウンド作品が提供されている。ここでは1940年から始まるサラウンドサウンド発展の歴史と主な技術を紹介すると共にサラウンドサウンド普及のための課題を述べる。

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12.S-1EXスピーカーシステムの開発

白川弘之、高橋俊一

【要旨】

本稿ではパイオニアブランドのフラッグシップモデルとして開発された スピーカーシステム"S-1EX"に関して、開発の背景、各要素技術などについて述べる。

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13.デジタル放送とサラウンド音声~現状と課題

沢口 真生

【要旨】

本稿では、2011 年の完全デジタル放送を前にアナログ波からデジタルへ移行しつつある放送メディアの特徴のひとつであるサラウンド音声の現状と今後および家庭で普及していく上での課題について述べる。またサラウンド音声の入門者用に基礎的な知識も合わせて述べることにする。

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14.車載カメラ映像による風景特徴解析技術

藤田 隆二郎

【要旨】

車載カメラ映像による風景を解析するシステムを開発した。道路周辺の風景に着目し、車載カメラ映像から風景の特徴をスコア化する。撮影した画像の上半分をセルに分割し、セル毎の特徴量から構成要素を判定する。次にそれぞれの構成要素のセル数から「街並み」、「森林」、「開けた道」のスコアを算出し、最も高いスコアを風景の特徴と判定する。システムと被験者による判定を比較した結果、75%以上の割合で一致することを確認した。

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【部門紹介】
RW標準化推進センターのDVD-RW/DVD-R普及活動

森下正巳

【要旨】

パイオニアがフォーマット提案したDVD-RW/DVD-R関連商品の普及促進をミッションとする、RWPPI(RW Products Promotion Initiative)の事務局を担当するRW標準化推進センター。世界各地でのショーへの出展・カンファレンス・ラウンドロビンテスト・定期ミーティングなど、延べ100回ものアクティビティを実施、さらには社内での関連情報・問題の調整・収集・提供の窓口としての機能も含め、文字通りDVD-RW/DVD-Rのデファクトスタンダード化に邁進するRW標準化推進センターの具体的な活動内容を紹介する。

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