2005年技術論文

1.MPEG映像からのテロップ検出方法の検討

倉橋誠

【要旨】

映像コンテンツの効率的な視聴を可能とするために映像構造化を行う手段として、映像中のテロップを検出し、その映像の特徴として利用することが有効である。一方、近年デジタル放送の普及などにより、MEPGなどに代表されるデジタル映像が普及している。そこで、MPEG形式で圧縮符号化された映像からテロップ検出を行う方法を開発した。これは、MPEGパラメータであるDCT係数に注目し、その高周波成分の値から、元の画像の強いエッジの有無を判定することでテロップ検出を行う方法である。
この方法により、従来のマクロブロック符号化方式に着目したテロップ検出方法に比べて、テロップを表示している領域を高精度で検出することができた。

詳細はこちら(PDF 242 KB)

2.リモートキャストBBサーバシステムの構築

雨矢俊幸、高梨真琴、宮本一宏、渡部保日児

【要旨】

広告コンテンツ配信システムのサーバとして、リモートキャストBBサーバを構築した。リモートキャストBBでは、広告コンテンツ配信サーバと端末間にVAAM+という配信プロトコルを採用することで、HTTPによる広告コンテンツの配信が可能となった。さらにリモートキャストBBサーバでは、プラットホームにCyberLoftというアセット管理システムを採用することで、配信される広告コンテンツをアセットとして管理し、広告コンテンツを再生する端末のログまでもアセットとして管理し、利用することができるようになった。本論においては、まず、CyberLoftによるアセット管理の特徴を示し、次に、リモートキャストBBサーバが広告コンテンツ配信サーバとして機能するための変更および拡張点を論じる。リモートキャストBBサーバでは、広告コンテンツの登録・管理を全てWEBブラウザから行い、いつ、どこからでも広告コンテンツおよび端末の状況を確認することができる。さらに、リモートキャストBBサーバの設計目標値を示し、その評価結果も示す。

詳細はこちら(PDF 350 KB)

3.IEEE1394接続によるデジタル放送録画、
再生システムの開発

對馬均、古田裕貴、熊谷嘉博、福田美沙子、大石享子、笹谷信哉、渡辺勇人、河原鉄晶、佐野勝也

【要旨】

本稿では、HDD搭載DVDレコーダー「DVR-920H-S」および「DVR-720H-S」に搭載されたデジタル放送録画、再生機能についてその概要を解説する。これらのレコーダーは当社製プラズマディスプレイとIEEE1394によって接続することでデジタル放送の録画、再生機能を実現しており、「DVR-920H-S」は400 GBHDDに最長約36時間のデジタルハイビジョン放送の録画を実現した。また、録画されたタイトルの情報をBMLスクリプトによって記述し、プラズマディスプレイへ送出することによりタイトルリストの表示を行う機能についても実現した。

詳細はこちら(PDF 246 KB)

4.ユーザの嗜好を反映した画像表示手法の開発

森田耕三

【要旨】

ユーザの嗜好を反映してユーザの好みの画像を表示するアルゴリズムを開発した。また、そのアルゴリズムを用いた画像表示アプリケーションを開発し、日常生活で撮影した写真を用いて性能検証を行った。

詳細はこちら(PDF 366 KB)

5.DVI光シリアルリンクの開発

秋本尚行、野原学、岩井智昭、曽我裕介、大久保英幸、野口良司、石戸谷耕一、篠倉毅一郎

【要旨】

メディアレシーバ(MR)とプラズマディスプレイパネル(PDP)との間を流れる映像や音声、制御信号を、2芯のプラスティック光ファイバー(POF)ケーブル一本によって30 mまでの距離を伝送するシステム"DVI光シリアルリンク"を開発した。本稿では、そのシステムと技術要素を紹介する。

詳細はこちら(PDF 154 KB)

6.和音進行を用いた音楽ハイライト検出の一手法と、
組み込み機器への応用

莪山真一

【要旨】

和音進行を用いた音楽のハイライト検出手法を提案し、組み込み機器に実装した。音楽の特徴部分であるハイライト(サビ)の部分は、楽曲中に他より多く出現する傾向がある。そこで本手法では、楽曲から抽出した和音進行の部分的な相互相関を演算することによって楽曲中の繰り返し部分を抽出し、その結果を用いてハイライトの検出を行った。また、和音進行は少ない情報量で音楽の類似性を表現することができるため、本手法は組み込み機器に求められる効率的な演算を可能とした。その結果、従来手法では性能の確保が困難であったが、本手法は実用上十分な動作速度と性能を示し、JPOP340曲中、308曲に対して正確にハイライトを捉えることができた。

詳細はこちら(PDF 130 KB)

7.「Java & .NET 技術で構築したPDP第4ラインITシステム」

河野滋、大塚雅之、志村友紀、野々口徹、澤登達也、平井良和

【要旨】

今回、新たに建築されたPDP新プラントにおいて、最新のJava & .NET 技術で構築したPDP第4ラインITシステムの設計、導入を行った。これにより、パネル生産プロセスの可視化、品質情報トレーサビリティの確立を実現した。

詳細はこちら(PDF 282 KB)

【一般論文】
車載用第三世代インダッシュCDチェンジャーメカの開発

吉田進、新飼康弘、鈴木徹、松本健、岡本守秦、高橋英司

【要旨】

次に示す特徴を持った第三世代のインダッシュCDチェンジャーメカ(通称:G3メカ)を開発した。
・業界最小レベルの小型化達成
・従来比-25%減のコストダウン達成
これらを武器にインダッシュ市場のシェア拡大を図る。

詳細はこちら(PDF 654 KB)

【部門紹介】
パイオニアコミュニケーションズ(株)の紹介

岸本哲

【要旨】

パイオニアコミュニケーションズ(株)はパイオニアグループの関連会社の一つで、主にコードレス電話機、留守番電話機を独自で開発・製造・販売を行っている会社である。
本稿では、当社の歴史、組織体系、各部門の業務内容、および代表的な製品の技術的内容について紹介する。

詳細はこちら(PDF 154 KB)

1.とうもろこし澱粉基板と、
環境影響の少ない材料を用いたBD用追記型ディスクの開発

細田康雄、樋口隆信、志田宜義、今井哲也、飯田哲哉、栗山和己、横川文彦

【要旨】

我々はBlu-ray Discフォーマットに準拠した無機追記型光ディスクにおいて、全ての構成材料から環境への影響の少ない材料として、Pollutant Release and Transfer Register(PRTR)制度を規定した法律(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)で毒物指定されている材料を排除することに成功した。更に、とうもろこし由来の澱粉を原材料とする澱粉樹脂基板を開発した。澱粉樹脂基板を用いた追記型光ディスクにおいて、容量25.0 GB相当の記録密度時のボトムジッタ6.0%を達成している。

詳細はこちら(PDF 302 KB)

2.200 Gb/in2を超える電子ビームマスタリング

勝村昌広、細田康雄、北原弘昭、小林正規、佐藤恵、加園修、橋本和信、飯田哲哉、栗山和巳、横川文彦

【要旨】

電子ビームを用いた200 Gb/in2を超える高密度微細記録を実現するための阻害要因である近接効果を低減するプロセスの一つとして、炭素基板を用いた電子ビーム記録を提案する。炭素基板を用いることにより、従来基板として用いていたシリコン基板プロセスにおいて高密度記録の阻害要因であった近接効果の影響を低減し、200 Gb/in2を超える電子ビームマスタリングを実現した。

詳細はこちら(PDF 485 KB)

3.ホログラムメモリーにおけるマーカ位置の高精度検出法

橋本道一、立石潔、冨田吉美

【要旨】

ホログラムメモリーの信号処理において、再生画像からデータ記録領域を正確に検出することは重要である。位置検出処理の方法としてテンプレートマッチがあるが、通常これだけでは精度が不十分でさらにサブピクセル位置を推定する必要がある。我々は相関値分布の重心からサブピクセル位置を推定する方法を考案し、実験を行った。その結果、少ない計算量で従来方法以上の精度でサブピクセル位置を検出できた。

詳細はこちら(PDF 326 KB)

4.SNDM強誘電体プローブメモリによる
超高密度デジタルデータ記録再生

藤本健二郎、高橋宏和、前田孝則、尾上篤

【要旨】

磁気記録を超える新しい大容量記録ストレージとなりうる強誘電体プローブメモリを実現するために、実際のデジタルデータ記録再生に近い形での記録再生実験、耐久性に優れた導電性ダイヤモンドプローブの試作・評価を行った。まず、走査型非線形誘電率顕微鏡の原理を利用した強誘電体記録再生装置を用いて、一致溶融組成LiTaO3単結晶記録媒体へ、(i)DVDと同様な記録方式、(ii)高密度記録に適したマトリクス方式、の2通りの方式でのデジタルデータの記録再生実験を行い、良好なデジタルデータの高密度記録再生が可能であることを示した。次に、MEMS技術を用いて導電性ダイヤモンドをチップとするプローブを試作し、このプローブを用いて強誘電体の分極分布の測定、強誘電体への情報の記録再生実験を行い、このプローブが強誘電体プローブメモリのプローブとして利用可能であることを示した。

詳細はこちら(PDF 190 KB)

5.レーザリフトオフ法を用いた青/
赤二波長集積レーザの作製

宮地護、木村義則、三村泰弘、尾上篤

【要旨】

我々は、次世代高密度ディスク用の405 nm帯のレーザ光とDVD用の650 nm帯のレーザ光を発振する二波長集積レーザを初めて実現した。2つのレーザの発振閾値は405 nm帯、650 nm帯でそれぞれ82 mA、48 mAであり、集積プロセスによる閾値上昇は見られていない。集積方法は量産性に優れるウェハボンディングによる手法を用いており、2つの発光点間隔は約3 μmと非常に近接した状態を実現することができた。このような発光点間隔が近接した二波長集積レーザの実現により、Blu-ray/DVDコンパチブルピックアップのさらなる小型軽量化が期待できる。

詳細はこちら(PDF 178 KB)

6.Advanced HEEDの諸特性

根岸伸安、田中亮太、中田智成、酒村一到、奥田義行、佐藤英夫、渡辺温、吉川高正、小笠原清秀

【要旨】

我々は1997年に高効率電子放出素子(High-efficiency Electron Emission Device:HEED)を発見して以来、その開発を続けている。独自の構造を持ったエミッションサイトを設けることにより性能を大きく改善したAdvanced HEEDについて、今回は長時間の駆動による電子放出特性の変化を中心に評価を行った。放出電流密度の半減時間は約3000時間であり更なる改善を要するが、再活性化というユニークな現象を確認した。

詳細はこちら(PDF 114 KB)

7.Reduction of Operating Voltage in
Organic Light-Emitting Diode by
Corrugated Photonic Crystal Structure

冨士田誠之、上野 哲也、石原 邦亮、浅野卓、野田進、大畑浩、辻大志、下地規之

【要旨】

有機EL素子の駆動電圧の低減がITO陽極のエッチングで作製されるフォトニック結晶構造によって、部分的に有機層の膜厚が薄くなる効果で実現される.加えてフォトニック結晶の本来の効果により、素子内部に閉じこめられた光を外部へ回折させることで光取り出し効率の改善も期待できる.実際に作製した素子において、一定電流における駆動電圧の低減と正面輝度効率の改善が示された。

詳細はこちら(PDF 98 KB)

8.赤色燐光素子の実用化検討

辻大志、結城敏尚、内城強

【要旨】

発光層ホストにbis(2-methyl-8-quinolinolato)(p-phenylphenolato)aluminum(BAlq)、あるいは、NS11を用いることにより、高効率、長駆動寿命の赤色燐光素子を、ホールブロッキング層なしの素子構造で実現することができた。CIE 色度座標(0.65,0.35)で電流効率12cd/A、初期輝度700 cd/m2で輝度半減寿命30,000時間以上の特性が得られている。また、ハイ・デューティー・パルス駆動におていも、蛍光素子以上の効率を有し、パッシブマトリックスの量産ディスプレイに採用された。

詳細はこちら(PDF 46 KB)

9.有機薄膜トランジスタによる
アクティブマトリクス駆動有機ELパネル

中馬隆、大田悟、原田千寛、吉澤淳志、宮口敏、佐藤英夫、田辺貴久、土田正美

【要旨】

有機半導体としてペンタセンを用いた有機TFTを開発し、同一基板上に有機TFT素子と有機EL素子を配した有機ELパネルのアクティブマトリクス駆動に成功した。画素数は8×8であり、各画素は選択トランジスタと駆動トランジスタとで駆動されている。このパネルにおいて、アナログ駆動方式による16階調表示を確認した。

詳細はこちら(PDF 310 KB)

【一般論文】
第2世代HDDカーナビゲーションシステムの開発

竹内吉和、安達肇、松本令司、天野克巳

【要旨】

第2世代のHDDカーナビゲーションシステムを開発し、HDDサイバーナビAVIC-ZH900MDを2004年6月に市場導入した。最高水準のカーナビゲーション機能と高度なAVを高次元に融合した2DIN一体型のナビオートサーバーである。リアルな3次元立体地図表示、フィーリングプレイ、ブロードバンド接続に代表される先進の機能を実現するプラットフォームを開発した。

詳細はこちら(PDF 138 KB)

MPEG-2映像のポスト処理によるフリッカ低減方式

大塚吉道

【あらまし】

テレビジョン信号はカメラ側でガンマ補正が施されており、その電気信号は線形ではない。このため、電気信号では起こり得ない画質劣化が光信号で起こることがある。その例が、MPEG-2符号化映像をディスプレイで表示するときに発生するフリッカである。ここではフリッカの発生する原因を紹介するとともに、MPEG-2映像のポスト処理によりフリッカを低減する方法について述べる。

詳細はこちら(PDF 74 KB)

デジタル放送の現状と今後の動向

大塚吉道

【あらまし】

わが国のデジタル放送は1990年代後半に検討が始まり、方式の標準化や受像機の開発が行われ、2000年12月1日から新しいHDTV放送の実現を目指して、BSデジタル放送が始まり、2003年からは地上デジタル放送が始まった。そして、アナログ放送は2011年に終了する予定である。ここでは、デジタル放送の歴史を振り返り、今後の動向について述べる。

詳細はこちら(PDF 86 KB)

【部門紹介】
パイオニア・マイクロ・テクノロジー(株)の紹介

高味久嗣

【要旨】

パイオニア・マイクロ・テクノロジー(株)は、パイオニアグループの関連会社一つで、主に、デジタルメディアに適用される半導体製品の開発、製造および販売をおこなっている。特に、ユーザ各社の製品のキーパーツで、かつ差別化を実現する上で重要な役割をするカスタムIC の開発に注力している。
本稿では、当社の概要、経営方針、各部門の業務内容、製品の工程、および現在の主力製品である光ディスク用IC、デジタル映像信号処理用IC 、有機ELディスプレイ用ICの技術的内容を紹介する。

詳細はこちら(PDF 146 KB)

PDFファイルをお読みになるには、最新版のAdobe Readerが必要です。下記のサイトより無料ダウンロードできます。