パッと見の印象では、地図は従来の色味を踏襲していて大きな変化は感じないものの、すっきりと見やすくなった印象を受ける。これまでもカロッツェリアの地図は、ドライバーにとって運転中でも見やすいと言われてきたが、今回のサイバーナビの地図はさらに見やすくなったと感じた。
新サイバーナビに採用されているディスプレイは、従来モデルと比較するとRGBを6ビットから8ビットへ、26万2500色から1677万色(フルカラー)とそれぞれアップグレードされている。このディスプレイ変更には、コントラストと彩度のアップを実感するが、合わせて地図データのフォーマットから全て作り直されていると言う。
カーナビの地図において最も重要な道路も、主要道と細街路を描き分け、道路に陰影をつけることで普通の交差点と立体交差の違いも描き分けられている。住所と施設名の 文字表示もチューニングし、緑や水の表現までもこだわったと言う。例えば、新宿の都庁周辺など、地図を頼りに実際に走ってみると立体交差になっていて曲がれなかったといったこともないわけだ。
また、フリック操作中は追従性を優先するために地名などの文字を一時的に表示しないカーナビもあるが「それでは目的地を探すという意に反してしまう」(堀之内氏)と、地図をフリック操作で動かしている間も、地名やアイコンなどの情報が消えずに表示され続けることにこだわった。
カロッツェリアは地図においてもドライバー視点で考えられている。カーナビの地図は、当然、運転中でも瞬時に見てわかりやすいものでなくてはならない。その基本を忠実に、正統に進化させているのである。