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音の雑学大事典
第3章 音のみらい
超音波スピーカー

超音波スピーカーを使っているため。超音波スピーカーは、エリアを限定して音を流すことができ、音が絵に反射するようにスピーカーを取り付ければ、絵の中から声が聴こえるようにすることもできます。

音は普通、音源から離れるに従い、四方八方に広がり、あたり一帯に伝わります。つまりそこにいる人全員に届くため、聴きたくない人にはただの騒音となってしまいます。最近では、このような騒音を減らすために、音声を届けたい人にだけ伝えることのできるさまざまな研究が行われています。そのひとつが超音波スピーカー。超音波は一定方向に放射される指向性に優れているため、限られたエリアにだけ音声を伝達することができます。

超音波スピーカーは人間の耳に聴こえる範囲(可聴域)を超える超音波を利用したスピーカー。その超音波に人間の耳に聴こえる音(可聴音)を混ぜて放射することで、限定された場所に伝えたい音声を伝達できるのです。超音波スピーカーは10m離れても、3.5m程度しか広がりません。

必要な情報を、注意を喚起すべき人にだけ限定して伝えられるため、静かに絵を鑑賞したい美術館や複数のアナウンスが混じり合う駅の構内などでは、超音波スピーカーが威力を発揮します。

また、いろいろな国の人が集まる場所では、大型ディスプレイの前で、同時に数カ国語のアナウンスを流すこともできます。立っている場所を変えるだけで、それぞれ違った言語のアナウンスをほかと混じり合わずに聴き取ることができ、とても便利。

人の耳には聴こえない可聴域を超えた超音波には、こんな利用法もあったんですね。


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