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音の雑学大事典
第2章 音のちから
音のマスク

マスクというと、すぐに思い浮かぶのが風邪や花粉症。あるいは、怪傑ゾロや怪盗ルパンの仮面。いずれも顔の一部を“覆い隠す”ことを指しています。

実はこの覆い隠すマスク、音の世界にもあるんですね。一般的には、大きな音で、小さな音が聴こえなくなることや、低い周波数により高い周波数の音が聴こえにくくなることを、「周波数マスキング」(グラフ「周波数マスキング」参照)といい、前の音により、後ろの音が0.1秒程度かき消されて聴こえなくなる特性を「時間マスキング」(グラフ「時間マスキング」参照)と呼びます。これには、人間の聴覚の特性が大きく関係しているのです。


その身近な例が、喫茶店のBGMやロビーの噴水の音です。これらはただの飾りではなく、他人の話し声やさまざまな雑音を覆い隠してくれる、マスキング効果があるのです。店内が混んでいても、ゆったり会話が楽しめる喫茶店には、実はこうした「音のマスク」が利用されていたんですね。

また、家電製品の世界では、マスキングをして騒音対策をしている場合もあります。たとえばエアコン内にあるモーター音は、単一の周波数で不快ですが、送風ファンからの広い周波数成分の音により適度にマスキングされ、気にならない音にすることができます。


ほかにも身近と言えば、MDやMP3などの圧縮オーディオにも「音のマスク」が活用されています。MP3はマスキング効果により、人間の耳には聴こえない音を録音しないため音楽の情報を1/10以下に圧縮でき、効率的に保存することができるのです。

いまでは、たくさんの人が利用しているポータブル・プレイヤー。あんなに小さいのに、たくさんの楽曲を手軽に携帯できるのも、何を隠そう?!音のマスクのおかげだったんですね。

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