本サイトはスタイルシートを使用しております。
お客様がご使用のブラウザはスタイルシート非対応のため、表示結果が異なっておりますが、情報は問題なくご利用いただけます。

音の雑学大事典
第2章 音のちから
周波数と減衰

誰もが一度は試したことのある、山びこ。その山びこを聞こえやすくするコツをご紹介します。

まずメガホンのように口に手を添え、声が広がらないようにすること。そして、なるべく大きな低い声で、対向する山に向かって叫ぶこと。さらに、対面の山肌は、樹木や土 より岩盤の方が反射されやすくなるのだそうです。いつか山に行く機会があったら、ぜひ一度試してみてくださいね。

なんとなく澄み切った高い声の方が遠くの方まで届きそうなイメージがあるのですが、実際は逆のよう。低い声の方が遠くまで届くんですね。

もう少し専門的に言うと、音は空気中を伝播する間に次第に音圧が弱くなります。減衰は、空気の温度、湿度や周波数などに依存しますが、一般に高い周波数の方が減衰しやすいのです。簡単に言えば、高周波数は波長が短く減衰しやすい、低周波数は波長が長く減衰しにくい、のです。

ちなみに、音の速さを示す音速と、音の高さを示す周波数および波長には、「波長=音速÷周波数」の関係があります。気温20℃くらいなら、音速は毎秒340メートル。つ まり、周波数が340ヘルツなら、波長は1m。周波数が34ヘルツなら、波長は10mになります。なるほど、確かに、1mの波がちょこちょこ行くより、すいーっとした10m の波の方がずーっと遠くまで行けそうですよね。


では、この計算を男性女性の声別であてはめると、どうなるでしょう。一般女性の基本周波数は225ヘルツ程度、男性は120ヘルツ程度と言われています。音速を毎秒340メートルとすると、女性の声の波長は約1.5m、男性の方は波長が約2.8m。う~ん、わずかな差ですが、男性の方が有利なのでしょうか。もちろん、ハスキーな低音が魅力で声の大きな女性はいますから、一概には言えませんね。

次の問題