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音の雑学大事典
第1章 音のひみつ
声紋と音色

「キミの声って、○○さんの声に似てるんだよなぁ」とか、「あなたの声って、お母さんそっくりね」とか言われたことは誰にでもありますよね。

ただ、「似てる」は、同じではないことの証。ひとりとして同じ指紋がないように、声にも「そっくり」はあっても、まったく同じものは存在しないんですね。こうした声紋はその特性から、パソコンや携帯端末からの本人認証を行うシステムや、犯罪捜査にも応用されています。

そう、当たり前の話ですが、音や声にも個性があるのです。これは音の3大要素「大きさ」「高さ」「音色(ねいろ)」のうち、「音色」に大きく関係しています。(参照:第1章「音のひみつ」第1問「音ってなに?」解説)

たとえば楽器ひとつとってみても、モノによって音色は異なります。音階を奏でる基音は同じでも、音に含まれる周波数やそれらの大きさのバランスが異なり、特有な音色になるのです。ヴァイオリンでいえば、ストラディヴァリウスが名器と呼ばれていますが、なぜそれがヒトを魅了する音色を奏でるのかは、いまだ謎とされています。

それだけに音色をヒトに伝えるのは難しいもの。香りや味と同様になかなか上手く伝えることができません。そこで、たとえばドラムの場合は、「粒立ちがよい」「厚みがある」「しまりがある」などの専門用語を使って、演奏家とドラムの製作者がコミュニケーションをとるそうです。

また、工業製品などの分野でも音色は重要視されています。スポーツカーや大型のバイクのように、「このエンジン音がいいんだよね」というふうに、特有の音色がブランド力となっているケースも多いからです。

個性を際だたせ、他との差をつける音色。そういう意味では、音色がこの世の中を豊かにしているのかもしれませんね。

声紋波形と声紋表示

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