秋葉 恵子

タマンネガラ・バム

環境音?自然の音?雨の音?鳥の声?
たしかに気持ちよさそうだけど、そういうのにハマるとニューエイジとか精神世界のヒトになっちゃいそうで、正直いって警戒してました。
半信半疑でMDレコーダーお借りして、ジャングルの音をちょっとだけ録音してみたんです。
それも自ら「レコーディングポイント」を意識してじゃなくて、西村さんや福田さんが録音を始めたから「お、いまがポイントなのね、じゃアタシもとっておくか」って程度でした。
せっかく借りたんだし。

ところが。
旅行中デジタルな人々のデジタルな持ちものがうらやましくなって、帰ってから私もポータブルMDを買ったんです。
最初は音楽や語学を聞いてましたが、コレも聞けるんだって思い出して自分で録音してきたMDを再生したときのオドロキといったら!!
だって、写真もたくさんあるし毎日友達に旅行自慢してたし、まだまだ旅行の記憶は鮮明だと思ってたのに、音を聞いたら「あああ私はこんなに濃密な空気のなかにいたんだ」って思い出したんです。
忘れていた自覚もなかったのに。

写真なんかよりもっと強引に記憶の世界に連れ込まれるような感じ。
音の記憶って面白いですね。
こんなことだったら、ひとつのコンテンツをもっと長く録音してくるんだったなあ、と思ってます。

ジャングルは、予想よりもずっと濃かった。
森の深さは想像の延長だったけど、こんなに音が多いなんて。
のしかかってくるようにいろんな音が聞こえてくる。
チェーンソーみたいな蝉の声、木の上から夢のように響いてくる手長猿の声、カーッカッカッカッって哄笑する犀鳥。
明け方、ゴゴゴゴゴッと鳴いたのはヤモリ。
川を行くボートのエンジン音や雷の音。

旅程自体は心配していたほどハードではなく、アウトドア初心者の私でも大丈夫でした。
多少足元が悪いことなんて、濃密な空気と音と、同行のたのしい人たちにくらべれば、屁、みたいなもんでした。

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