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Pioneer
Blu-ray Driveの世界 > パイオニアのブルーレイの世界【パイオニアの技術】

パイオニアのブルーレイの世界

パイオニアの技術

技術と経験のアドバンテージ

相性によるトラブルを徹底的に排除するため、Blu-rayの規格は詳細部分まで厳密に策定されています。しかし、その規格をいかに正確に、高い信頼性と良好な操作性、心地よい操作感で実現しているか、という部分には、メーカー間の個性が現れますし、技術差、経験差が出やすいところです。では、パイオニアのBlu-ray Discドライブは、どのようなアドバンテージを持っ ているのでしょうか。

焦点を合わせ続けるレーザー技術

パイオニアのBlu-ray Driveでは、レーザー光線が対物レンズを通過する前に“多機能液晶パネル”と呼ばれるパーツを通過します。この液晶パネルは、BDやDVDが微妙に反っていることで発生する“コマ収差”と呼ばれる焦点ズレや、光学レンズでは避けられない“非点収差”と呼ばれる焦点分散を抑えるための技術です。この技術により、レーザー光線はDisc上の記録層を正確にトレースすることが可能となり、またDisc自体の微妙な変形や回転時の振動、経年変化による相性問題の発生など、さまざまな問題の発生を未然に防いでいます。安心感と安定感が段違い。これがパイオニアの技術です。

“多機能液晶パネル”の構造

  • 電圧を加えると屈折率が変化
  • 電極パターンにより、電圧に分布を持たせ、収差を発生
  • 屈折率は、入射光の偏光方向に依存する

●Liquid Crystal Tilt(液晶チルト)

トラックピッチ0.32μmという微細な世界でデータのリード/ライトを正確に行なうためには、常に光をディスクに対して垂直に照射し、ピットに対して焦点がずれないようにすることが必要です。その際には「コマ収差」と「球面収差」の補正が大きなファクターとなってきます。

メディアは工程上、完全な平面にすることは困難であり、またマウント時に微妙な傾きが生じることもあります。この傾きが、集束され点となるはずの光スポットが一点に結像せず尾を引いたようになってしまう「コマ収差」を発生させます。また一部の光線が本来の焦点位置からレンズに近い方向にずれ、光スポットがボケてしまう「球面収差」は、メディアの保護層の厚さのばらつきに起因するといわれています。

これまでこれらを補正するために数々の技術が開発されてきました。しかしそのほとんどは「コマ収差」の補正のみをカバーし、メカニカルに光ピックアップを動かすもので、そのためのアクチュエータ、フォーカス、トラッキングなど複雑な各種サーボの制御が必要になり、メカニカルトラブルとコストアップの原因にもなっていました。

これに対してパイオニアが開発したテクノロジーが「液晶チルト」です。液晶は電圧をかけると光の屈折率を変化させる性質を持っています。この性質を利用してレーザー光源と対物レンズの間に「液晶位相補正素子」と呼ばれる部品を配置し、メディアが傾いているときにはこれに電圧をかけて光の屈折率を変えます。さらにまたメディアの保護層の厚みのばらつきによる焦点位置のズレにも、この素子による補正で対応します。

Liquid Crystal Tilt(液晶チルト)

液晶チルトは「球面収差」と「コマ収差」の両者を単一の素子で補正できるパイオニア独自のテクノロジーであり、光ピックアップを動かす必要がないので複雑なメカニズムを必要とせず、光ピックアップの構成をシンプルにできるとともに、トラブルの可能性を低減させることができます。

ディスクの傾きによるコマ収差の補正
ディスクの傾きによるコマ収差の補正
ディスクの厚みによる球面収差の補正
ディスクの厚みによる球面収差の補正

●Smart Laser Driver

ディスクに最適なピットを記録するために記録信号を適切な状態に調整する「ストラテジ回路」は通常メイン基板に配置されています。ストラテジ回路の信号調整は記録速度が向上するにつれてより短時間で行なうことが必要となり、4倍速書き込み時には9.3nsのクロック周波数の1/20程度の分解能で調整しなければなりません。こうなるとメイン基板で調整した信号が光ピックアップまで送られる途中のフレキシブルケーブルにおいて伝送歪みが発生し、実際のレーザーの駆動信号はこの分解能以上の変動が発生し、記録波形がずれるなど記録特性が劣化する可能性があります。これは書き込み速度が速くなるほど顕著になります。
そこで「Smart Laser Driver」ではストラテジ回路をレーザードライバーICに内蔵し、光ピックアップ側でストラテジ調整を行ないます。メイン基板から送られてくる信号に歪みが発生していることには変わりありませんが、Smart Laser Driverが内蔵するPLL回路できれいなクロック波形に再生するので記録特性への影響はありません。今後Smart Laser Driverはさらなる高速書き込みを安定して行なうためのキーとなるテクノロジーです。

スマートレーザードライバー:ピックアップ上に記録回路を搭載
スマートレーザードライバー
従来のレーザードライバー:本体基盤上に記録回路を搭載
従来のレーザードライバー

データ信号を磨き上げる技術

Blu-rayは非常に緻密な技術の集合体です。BD上で読み書きするデータが正確で信頼性が高いものである必要性はもちろんのこと、扱うデータそのものを磨き上げ、純度の高いデータ信号として活用できるかどうかに、メーカーの技術力が現れるのです。パイオニアのBlu-ray Driveでは“クロストークキャンセラー”“リミットイコライザー”といっ た注目技術が導入されています。

“クロストークキャンセラー”は、BDから読み出したデータから、不要な信号を取り除く技術です。Blu-rayのレーザー光線は、BD上の“トラック”を正確にトレースしてデータを読み取っていくのですが、トラックピッチが0.32ミクロンと小さいため、隣のトラックのデータを拾ってしまうことがあります。そこで、本来読み込まなくてはならないトラックの両隣のトラックから読み込んでしまったデータを取り出し、フィルターをかけることで悪影響を大幅減少。レーザー光線とDisc面との角度が微妙にずれた場合の、データ読み取り精度も大幅に向上させました。

“リミットイコライザー”は、BDからデータを読み出す際に、光学メカニズム部分などで発生する、信号の汚れをクリアにする特許技術。“ジッター”と呼ばれる時間軸ひずみを大幅に減少させ、美しく正確な信号波形を取り出すことができます。正確な信号で読み書きが高品位。これがパイオニアの技術です

“リミットイコライザー”で正確な信号波形に

イコライザー前
入力RF波形

アイパターンの
劇的開口

リミットイコライザー
出力RF波形

信頼性と快適性を追求

BD上のデータを正確に読み書きするためには、つねに正確で信頼性が高い作動を保ち続け、振動が少なく動作音が静かでなくてはなりません。『Ultra DRA』は、高速回転するBDの機械振動を大幅に低減 する仕組みです。

Driveの筺体とトラバースメカ(ディスクの記録/再生機構)の間には、通常はダンパー(制振機構)が設けられていますが、このダンパーだけでは、トラバースメカそのものが発生する振動を完全に抑えることは困難です。そこでパイオニアは、重りとゴムで作られたダンパーをトラバースメカに装着。このメカニズムが、Discの高速回転などによる振動とは反対の向きに揺れ、不要な振動を吸収します。ピックアップレンズの振られが小さくなりますから、読み取り精度が大きく向上しますし、縦置きでも安定した動作を保証してくれるのです。

環境の変化に強いタフネスさ

小さな筺体内に熱を発生するパーツがギッシリ詰まっているBlu-rayドライブは、熱対策の良し悪しが信頼性を左右します。パイオニアのBlu-ray Driveは、Discの回転を利用した内部循環空冷機構を搭 載し、ボディやDiscの部分的過熱を抑えています。パーツがギッシリ詰まった筺体内のエアフロー(空気の流れ)を、騒音を抑えながら向上させ、信頼性と安定性を高める。これがパイオニアの技術です。