飯田 明先生選定

『パールハーバー』

(VWDS3092)より チャプター22
「最初の一撃」全部(4分5秒)


短い時間内にサラウンドに要求されるほとんどすべての項目(Fレンジ、Dレンジ、定位感、移動感、臨場感、重低音など)が凝縮されているから選んだ。(セリフと音楽は長谷川氏の課題に譲る)




とにかく「これでもか」というくらい派手なデモ向けソフトだが、まずは基本に忠実に音を創っていただきたい。やたら迫力や派手さを出さずに、いかに節度のある、自然なサウンドにするかは「(まともに調整された)リファレンス」を聴いているかどうかにかかっている。



スケールが大きく、節操のあるサウンドとサラウンド感。調整時の一つの目安として「サブウーファーを切ってもそこそこの音になっているか」という点がポイント。サブウーファーにほとんど頼っているというシステムは弱点がモロに出る。「こもった爆発音」はこもったままでよい。



DTS5.1CHで試聴してください。陥りやすい「鬼門」は(1)センターの音質と音量(2)リアの音質と音量(3)サブウーファーの鳴らし方(4)派手なサウンド・エフェクトに惑わされること・・・である。あくまで「本物志向」をお忘れなく!



長谷川 教通先生選定

『ショコラ』

(Asmik AEBF10063)より チャプター16
「燃える船」1時間27分19秒〜1時間31分5秒


ドラマのリアリティを再現するのに大切な「気配」「雰囲気」「表情」といった要素をねらって選んでいる。システムのS/Nや微小レベルでの反応の良さ、音色や音場のバランスが問われるシーンと言えるだろう。派手なサラウンドシーンにおけるでかい音や鋭い衝撃音など、誇張された迫力ばかりを追い求めたチューニングでは、思いのほか苦戦するかもしれない。セリフの表現力、音楽とのバランスもポイントとなる。




さりげない音色の変化の中に、ゾクッとするような表情がある…そんな描写力がねらいだ。このシーンにはさまざまな音が入っているが、いずれもアクション映画のエフェクトとは異なるナチュラルな再生のポイント。S/N感と解像度の良さがないと「気配」や「雰囲気」は表現できないだろう。シーンによって微妙に変化するセリフの表情も大切な再生ポイント。BGMがカサついたり刺々しくならないように注意したい。



センターチャンネルとフロントサイドL/Rの描き出す音像がスムーズにつながること。センターの音が拡散したり、L/Rの音場が上下に分離しないようにスピーカー配置やバランスの調整を行う。リアは移動感や方向感といった効果ねらいではなく、いかに自然な音場感が描けるかに配慮したい。このような渋いサラウンドソースでは、バランスのとれたシステムでないと貧相でつまらない音になってしまう危険は大きい。



DTS5.1chで試聴して下さい。サラウンド再生のカギとなるのはセンタースピーカーの音質、フロント3チャンネルの音像のつながり、リアの自然なサラウンド感だ。このシーンではセンターチャンネルが重要になる。また、課題ソースだけをうまく再生しようとしても、必ずしもトータルクオリティは上がってこないから、できるだけ多くのソースを再生し、役者のセリフの表情や情景を演出する雰囲気の表現、音楽の扱いなどをチェックしてほしいと思う。