TS-Z1000RS/TS-S1000RS/TS-W1000RS

17cmセパレート2ウェイスピーカー TS-Z1000RS6.6cmミッドレンジ TS-S1000RS25cmサブウーファー TS-W1000RS

  • 商品紹介
  • 設計思想
  • 高精密度技術
  • システム例/仕様

【理論と実証の積み重ねが、心を揺さぶる音を生む。】多くの人のカースピーカーに懸ける情熱が実り、New RSスピーカーのプロジェクトはスタートした。開発メンバーは、初代RSシリーズの開発に携わる杉浦、玉谷、兼平の3人。「革新と変革」をテーマに掲げ、新しい要素を積極的に取り入れていった。特に象徴的なのは、振動板へのクロスカーボンの採用。開発当初、カーボンは硬いので、ピークが大きく出ることが問題だった。しかし、開発責任者の杉浦は、その高弾性率を活かす解決方法を追求。そして、素材メーカーと綿密な交渉を行うため、素材に精通している富山をプロジェクトに招聘した。プロジェクトは基礎開発から設計へと進行し、その後、各パーツのシミュレーションを経て試作段階へと移行した。組み立ててはデータを収集し、シミュレーションにフィードバックして精度を上げる。このローテーションの10段階目ぐらいで、ようやく試聴に移っていった。目に見える数値や理論を詰めていくことが、目に見えない感動を生むことにつながっていく。こうして、約2年の年月を経て完成したNew RSスピーカー。RSならではの物理特性やスピード感に磨きをかけ、再生能力はレベルアップを遂げた。特に中低域を向上させたことで、すべての空間を描き切っている。元々が最高峰のスピーカーであるRS、RSIIと比較しても、その差は歴然だ。アンプからスピーカーに入ったエネルギーの99%以上は熱になり、残りのわずか1%にも満たないエネルギーしか音にはならない。そのわずかなエネルギーを精緻な音として表現するために、素材物性に優れたクロスカーボン振動板や高精度切削パーツによる磁気回路、高剛性・低共振の亜鉛ダイキャストフレームの採用など、素材や構造などを一新。スピーカーを構成する要素を限界まで突き詰めた結果がNew RSスピーカー「RS1000」シリーズなのである。

スピーカーの原点を見つめ、音楽のすべてを空間に描写する。

「原音を忠実に再生する」という永遠のテーマに真摯な姿勢で対峙し、設計思想である「トランジェント(過渡特性)」の追求、「ワイドレンジ(広帯域化)」の実現、「不要共振・固有振動の排除」を極限まで追求し体現する。New RSスピーカーは、「空間への描写力」を高め、音楽の真の姿を“より繊細に、より力強く”浮かび上がらせます。
トランジェント(過渡特性)の追求 ワイドレンジ(広帯域化)の実現 不要共振・固有振動の排除

トランジェント(過渡特性)の追求

スピーカーの理想、それは入力信号の変化に対し振動板が瞬時に反応し、追従し続けることです。その理想を求めて素材や形状などを吟味することが、設計段階からの課題と言えます。新しいRSシリーズでは、原音を忠実に再現するため、振動板におけるトランジェントの向上を徹底して追求。幾多の試作と試聴を通じて、高ヤング率(弾性率)を誇る素材物性に優れたクロスカーボンを振動板の素材として採用しました。そのクロスカーボン振動板は、硬さとしなやかさという相反するものの理想的なバランスを追求し、各ユニットごとに最適な多層構造を採用。さらにセンターキャップとの一体型構造とすることで、軽量化とともに高剛性化を実現。入力信号に対する俊敏な立ち上がりと、信号停止時の優れた減衰特性を実現しています。またトゥイーターのダイアフラムにはチタンを採用。表面改質処理の後にDLC(Diamond Like Carbon )を施すことで、トランジェントを追求しています。さらに磁気回路を構成するパーツのひとつひとつに至るまで寸法精度を突き詰め、ボイスコイルの駆動領域における磁束密度の効率化を図ることで、トランジェントの向上を獲得しています。

理想構造の追求:振動板素材

[TS-Z1000RS ウーファー部/TS-S1000RS/TS-W1000RS]

[TS-Z1000RS ウーファー部/TS-S1000RS/TS-W1000RS]
クロスカーボンは、単体では非常に高いヤング率(弾性率)を持つため、振動板として使用するには適度な内部損失が必要になります。そのため「TS-Z1000RS」はクロスカーボンと混抄コーンの2層構造を採用。さらに「TS-W1000RS」ではクロスカーボン、混抄コーン、クロス繊維の3層を貼り合わせ、高ヤング率(弾性率)と内部損失の理想的なバランスをとっています。

[TS-Z1000RS トゥイーター部]

「TS-Z1000RS」のトゥイーター部の振動板には、チタン製の「デュアルアークリングダイアフラム」を採用。表面改質処理の後に「DLC(Diamond Like Carbon)」を施すことで、高剛性を獲得しトランジェントの向上に寄与するとともに、わずかな歪みまでも徹底排除し、可聴帯域から48kHzの超高音域までを質感高く再生します。

優れた応答性能と周波数特性の実現

アンプからの信号入力に対して、立ち上がりがより早く、高いことが、トランジェント特性としては理想的な状態です。また、逆に立ち下がり時も信号入力が途切れると同時に振幅も素早く止まる、優れた減衰特性を実現。各ユニットに求められる優れたトランジェントを得ることで、フラットな周波数特性を獲得しています。 インパルス応答

磁束密度の効率化を追求

[TS-Z1000RS/TS-S1000RS/TS-W1000RS]

磁気回路には、発生する磁場の精度を上げるため、構成するプレートやヨークなどのパーツにも高い寸法精度が要求されます。New RSスピーカーでは、磁気回路を構成するパーツに関しては、全てのユニットにおいて無垢素材からの切削品を使用しています。これによりボイスコイルの駆動領域において磁束密度の効率化が図られ、トランジェントの向上に寄与します。
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ワイドレンジ(広帯域化)の実現

限られた帯域を再生するマルチスピーカーシステムと言えども、システム全体の音質を向上させるには、各スピーカーユニットが広帯域に渡って歪みの少ないフラットな再生能力を持つことが重要です。それは、クルマごとに異なる取付位置や形状に応じた、自由度の高い理想的なクロスオーバー周波数の設定が可能となるからです。

理想構造の追求:振動板形状一体構造

[TS-Z1000RS ウーファー部/TS-S1000RS/TS-W1000RS]

一般的な「コーン紙とセンターキャップ」の2つの構造体での構成ではなく、コーン紙とセンターキャップに同素材のクロスカーボンを用いた一体構造を採用。中高域において胴体のたわみが発生しにくく、入力に対してより正確に振動を空気中に放出することができます。
振動板形状一体構造

理想構造の追求:振動板共振の排除

[TS-Z1000RS ウーファー部/TS-S1000RS/TS-W1000RS]

一体成型クロスカーボンは、低域から中高域までフラットな振動特性が得られるよう、振動板の形状を検証。継ぎ目のない一体構造とすることで、低域はもちろん、分割共振の発生しやすい周波数においてもきれいに振動し、ピーク・ディップが抑えられたフラットな状態で駆動できるため、ワイドレンジ化に寄与しています。
周波数-共振シミュレーション

理想形状の追求:低域の振幅拡大

[TS-Z1000RS ウーファー部/TS-W1000RS]

100Hz以下の低域では、より大きな振幅が可能になり、50Hz以下の低域でも、周波数特性が落ちることなく、ワイドレンジ化を実現しています。

磁気回路形状の最適化による磁束密度の均一化

[TS-Z1000RS ウーファー部]

セパレート2ウェイスピーカー「TS-Z1000RS」のウーファー部の磁気回路には、振動板を効率良く駆動する、ロングプレート・ショートボイスコイルを採用。さらに磁気回路の形状を最適化、均一な磁束密度を得ることによりパワーリニアリティを向上し、ワイドレンジ化を実現しています。
ショートボイスコイル/ロングプレート
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不要共振・固有振動の排除

スピーカーユニットを構成する振動板、ボイスコイル、ダンパー、エッジといった振動系は、入力信号に対してのみ忠実に反応しなければなりません。それ以外の共振や素材そのものがもつ固有の振動などは、再生音に影響を与えるため、徹底的に排除する必要があります。

エッジ形状を見直し、低共振化を実現

コルゲーションエッジ タンジェンシャルエッジ
共振を排除する上で振動板を支えるエッジの役割が重要です。セパレート2ウェイスピーカー「TS-Z1000RS」のウーファー部とサブウーファー「TS-W1000RS」には、振動を最も効率良く吸収できるようシミュレーションと試作を繰り返して形状を決定したコルゲーションエッジを採用。またミッドレンジ「TS-S1000RS」には、中高域再生に有利とされるタンジェンシャルエッジを採用。タンジェンシャルエッジの特長は、歪みを周方向に分散して逃がすことができるため、特に中高域の信号入力に対しエッジ全体で均一な振幅が得られることです。これにより振動板の共振を排除することが可能となり、振動板動作のリニアリティが向上し歪みがなく抜けの良い中高域再生を実現します。

エッジ形状の違いによる振動状態の違い:シミュレーション

タンジェンシャルエッジ/コルゲーションエッジ/ロールエッジ(一般例)

トゥイーター内部のインピーダンスマッチングを改善

微細な振動によって超高域まで再生するトゥイーターでは、ユニット内部のわずかな空気抵抗の変化が振動板のリニアな振幅に影響を与えてしまいます。セパレート2ウェイスピーカー「TS-Z1000RS」のトゥイーター部には、デュアルアークリングダイアフラムの特性を最大限引き出すため、筐体内の内側と外側で空気抵抗が均一になるよう形状や素材を検証し、インピーダンスの最適化を図っています。これにより、筐体内で発生する不要共振を排除し、最低共振周波数(fo)付近の信号入力にも優れたリニアリティを発揮します。
ダイアフラムから空気の流れが内側(①)と外側(②)に向かって発生します。筐体内の2つの空間は容積が違うため、空気の流れと圧力、吸音材の調整により、インピーダンスマッチングを取っています。

フレーム形状を改善し共振を排除

無共振化を図る上で大きな課題となるフレームには、素材や構造をひとつひとつ検証し、高剛性・低共振の亜鉛素材を採用し、徹底した耐共振性を獲得しています。さらに解析に基づきフレームのリブを従来の5本から6本とし、その脚部形状をV字型とすることで、強度の向上とともに、共振を分散させて不要共振の減衰を図っています。

亜鉛バックカバーを採用

各ユニットの磁気回路自体が発生するわずかな歪みまでも遮蔽するため、フレームと同様に高剛性・低共振の亜鉛素材バックカバーを採用しています。特にセパレート2ウェイスピーカー「TS-Z1000RS」のウーファー部とサブウーファー「TS-W1000RS」では「非面接触型ポイント支持構造」を採用することで、フレームへ回り込む共振の影響を抑制しています。
亜鉛バックカバー/非面接触型ポイント支持機構
亜鉛バックカバー
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